白いご飯はあったかいのに限る

ひなたちゃんと会い始めたころ、

いままで何も考えずやってきたことがとても難しいということに気づいた

 

アレルギーがあるので何が入っているかわからないものは無理だし、コーヒー紅茶も飲めない。

タバコも駄目で、喫煙席があるレストランや喫茶店には入れない。

 

 喫茶店で会えないので、川原とか、図書館とか、お寺とか、いろいろ転々とした。

お昼を挟んで会うときは、お腹がすく。

 

ある時、一度おにぎりを持って行きましょうか?と聞いたことがあった。その時

「ご飯は暖かいのじゃないとダメなんです・・・」と言われて、思わず「え・・・」と

いう顔をしてしまった。一瞬、けげんな目で見てしまった。

すかさず「じゃあ今度は炊飯器もって来よう。」と言ったのだけど。(そこはフリースペースみたいなところだったので炊飯器もOK)
 

 今となっては、自分の先入観を反省している。アレルギーなら温度は関係ないんじゃ?それは気のせいなんじゃ?と思ってしまった。

 

 事実は、あったかいのじゃないと駄目なのだ。後でお腹を壊すから。

本人だって食べられるものなら食べたいだろう。それに、どれだけ言いにくく、私のような反応をいままでされてきただろう。ひなたちゃんの体のことは、ひなたちゃんにしか、わからないのに。

 本当に、ただあそこの喫茶店で、レストランで、お茶しよう、ご飯食べよ、ということにたどり着くためのハードルがいくつあるのか。お弁当が無理ならピクニックだってそう簡単にはできない。

今までどれだけ、つらくて悲しくて寂しかったのだろう。

 

ひなたちゃんは、あったかい白ご飯しか食べられない。それは、わがままなんかじゃない。自由に何でも食べられる私の方がよほど、わがままなんじゃないだろうか。